特集 画像で決める癌手術の切除範囲—典型症例総覧
Ⅲ.十二指腸乳頭部癌・小腸悪性腫瘍
十二指腸乳頭部癌に対する膵頭十二指腸切除術
上野 富雄
1
,
岡 正朗
1
Tomio UENO
1
1山口大学医学部先端分子応用医科学講座消化器・腫瘍外科
pp.104-108
発行日 2001年10月30日
Published Date 2001/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904634
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はじめに
十二指腸乳頭部癌と術前に確診しえた症例は,現在では“幽門輪温存膵頭十二指腸切除術”が標準術式としてほとんどの施設で適応とされている.乳頭部癌に対して胃切除を伴う従来の膵頭十二指腸切除術(以下,Whipple手術)が施行されるような症例は,同時性重複胃癌の患者を除くと,癌の局所進展やリンパ節転移のために十二指腸球部が温存できずに胃の合併切除をせざるをえなくなった場合や,乳頭部癌が強く疑われるものの,なおかつ膵頭部膵管癌との鑑別が困難な場合などであろう.
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