今月の主題 酸塩基平衡の実際
治療
代謝性アルカローシス
石田 尚志
1
,
高橋 佳子
1
1聖マリアンナ医大第1内科
pp.1512-1513
発行日 1979年10月10日
Published Date 1979/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216084
- 有料閲覧
- 文献概要
はじめに
代謝性アルカローシスとは,体液のHCO3を上昇させるような病態によって生ずる酸塩甚平衡障害をいう.
生体内では通常,1分間に約10mEqの割合で炭酸が産生されており,また,1日に60〜70mEq/m2(体表)の固定酸も作られている.これに対し,アルカリの量は産生―摂取を合わせて1日わずか10〜20mEq/m2程度である.したがって,体液は,はるかにアシドーシスに陥りやすいはずである.実際,臨床的に問題となるようなアルカローシスに遭遇することは比較的少ない.代謝性アルカローシスの治療にあたっては,その起こりにくいアルカローシスをきたした原因をつかみ,酸塩基平衡障害の生じた病態生理学的機序を考慮した上で,対処する必要がある.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.