特集 薬物療法マニュアル
Ⅵ.感染症の薬物療法
3.臓器・系統別感染症
肝炎ウイルス感染症
岡田 充巧
1
,
牧野 勲
1
Mitsuyoshi OKADA
1
1旭川医科大学第2内科
pp.390-392
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903894
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
基本的な事項
現在までにヒトの肝炎ウイルスとしてA,B,C,D,E型の5つが確立しており,新種の肝炎ウイルスとして通称“G型肝炎ウイルス”が発見された1,2).G型ウイルスが真の“肝炎ウイルス”なのかについては議論の余地があり,肝疾患に対する立場が確定するには至っていない.また,非A〜G肝疾患とTTウイルスとの関係も検討されている3).
G型も含めて6つの肝炎ウイルスのうちA型,E型は糞便経口感染によって伝播し,急性肝障害の原因となるが,持続感染となることはない.一方,B,C,G型は主に血腋を介した経路で感染し,急性のみならず持続感染に移行し,慢性肝障害の原因となる.D型肝炎ウイルスは単独では複製できない不完全なウイルスで,B型肝炎ウイルスとの共存下でのみ感染が成立する.臨床の場で日常的に遭遇する肝炎ウイルス感染症はA,B,C型肝炎ウイルスのいずれかが原因の場合が大多数である.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.