特集 薬物療法マニュアル
Ⅵ.感染症の薬物療法
3.臓器・系統別感染症
腸炎
小棚木 均
1
Hitoshi KOTANAGI
1
1秋田大学医学部第1外科
pp.388-389
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903893
- 有料閲覧
- 文献概要
はじめに
感染性腸炎は抗生剤使用に起因する偽膜性腸炎やMRSA腸炎(別項),輸入感染症など,医療上および公衆衛生上,重要な疾患を含む.下痢の性状や海外渡航歴,集団内発生の有無,抗生剤使用の有無などで疑診し,便や生検材料の培養で確診する.ただし,菌の同定や抗菌剤感受性などの結果が出るまで数日を要するので,簡易迅速診断法を用いたり,疑診のまま直ちに治療を開始する場合も少なくない.なお,感染性腸炎の下痢に対する抗コリン剤や止痢剤の使用は腸内容の停滞をきたして除菌を遅らせ,毒素の吸収を助長させるので禁忌である.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.