特集 薬物療法マニュアル
Ⅵ.感染症の薬物療法
3.臓器・系統別感染症
創傷感染,熱傷創感染
橋本 可成
1
,
小野山 裕彦
1
,
高尾 信太郎
1
,
福本 巧
1
,
裏川 公章
1
,
安積 靖友
1
Yoshinari HASHIMOTO
1
1大阪府済生会中津病院外科
pp.373-374
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903888
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はじめに
最近の抗生物質を含む抗菌剤,感染対策の進歩により創感染は減少しているが,完全に克服されたというわけではなく,ひとたび発症すると比較的長期にわたり患者および医療関係者を悩ませる合併症の1つで,さらに重篤な感染症や合併症を出現させる.抗菌剤の使用にあたっては予防的投与と治療的投与を明確に区別する必要があり,両者は根本的に異なる概念であるにかかわらず,その区別をつけないまま漫然と抗生物質の長期投与を続けることをよく見受ける.外傷治療における予防的投与とは受傷時に付着した細菌が組織内へ侵入し,増殖を開始する前に抗菌剤を投与し,これを防ぐことで,早期,短期間に十分量を投与することである.
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