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特集 Up-to-Date外科医のための創傷治癒
皮膚の創傷治癒―熱傷創を中心に
Progress in wound healing of burn injuries
佐々木 淳一
1
Junichi SASAKI
1
1東北大学大学院医学系研究科外科病態学講座救急医学分野
キーワード:
湿潤環境創傷治癒
,
細胞増殖因子製剤
,
持続陰圧吸引閉鎖療法
Keyword:
湿潤環境創傷治癒
,
細胞増殖因子製剤
,
持続陰圧吸引閉鎖療法
pp.1521-1527
発行日 2007年11月20日
Published Date 2007/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101933
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要旨:熱傷創の創傷治癒過程における重要な要素として,創面の乾燥を防止して湿潤環境を維持すること,新生表皮の損傷をもたらす物理的刺激を防止すること,創感染を防止することが挙げられる.さらに,熱傷創を中心とした皮膚の創傷治癒は,その機序の面から表皮化と創収縮を分けて考える必要があり,いかに表皮化を促進して創収縮を抑制するかが質の高い創傷治癒には重要な点である.現在では湿潤環境の提供を目的に臨床の現場で多くの創傷被覆材を使用することが可能になったが,創傷治癒の機序やその複雑な過程を考えると,創傷の種類や程度によって創傷被覆材を選択するべきである.本稿で取り上げたup-to-dateな項目である湿潤環境の保持,細胞増殖因子製剤の使用,持続陰圧吸引閉鎖療法は理想的な創傷治癒環境を作り上げ,いずれも創傷治癒の質の向上に非常に有効な方策であることが明らかになりつつあり,今後のさらなる臨床応用が期待される.
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