連載 学ぶ
Medical Current of
熱傷・外傷—創傷被覆材について
田中 正英
1
1長野県厚生連北信総合病院形成外科
pp.158-162
発行日 2000年2月1日
Published Date 2000/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903407
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
近年,創傷治癒に関する研究の進歩はめざましく,さまざまな軟膏や創傷被覆材(図1)が開発されている.創傷被覆材は植皮術などを必要としないII度熱傷創や採皮創などの比較的浅い皮膚欠損創に用いられ,表皮形成による治癒が可能と考えられる創面への適応がとられている.創傷治癒の湿潤環境理論に基づいたドレッシング材を用いた方法は,既存の軟膏療法に比べガーゼ交換の回数の軽減,疼痛の緩和,通院回数にかかる交通費を含めた経済効果などの点からも臨床上有用であるといった考えが徐々に浸透しつつある.本稿では,現在本邦で市販されている代表的な創傷被覆材(人工真皮を含む)を材料別,および用途別に分類し,その一般的な使用方法について述べたい.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.