特集 薬物療法マニュアル
Ⅲ.周術期の薬物療法
4.要注意状態の患者
特定薬物使用(療法)中の患者
免疫抑制剤服用中の患者
安永 親生
1
,
合屋 忠信
1
Chikao YASUNAGA
1
1済生会八幡総合病院腎センター
pp.245-247
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903842
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基本的な事項
免疫抑制剤は臓器移植後の拒絶反応抑制や膠原病,ネフローゼ症候群などにおける疾患の活動性のコントロールに用いられる.臨床的に用いられることの多い免疫抑制剤を表1に示す.臓器移植後維持期においては副腎皮質ホルモン,T細胞機能抑制剤および代謝拮抗剤の3剤,自己免疫疾患などでは副腎皮質ホルモンおよびT細胞機能抑制剤の2剤が用いられることが多い.免疫抑制剤服用中の患者に外科的治療が必要となった場合,下記の病態が存在することを認識しておく.
①免疫抑制剤を必要とする原疾患が存在する:臓器不全に対する臓器移植後か,膠原病(SLE,RA, PN,ウェジナー肉芽腫症,ベーチェット病など),腎疾患(ネフローゼ症候群,各種腎炎),炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎,クローン病)や皮膚疾患(乾癬)などで活動期の状態が存在する.手術に当たり,上記疾患群による他臓器合併症の存在や拒絶反応の出現,原疾患の増悪の可能性を考慮する.
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