治療のポイント
免疫抑制剤の使い方
輿石 義晴
1
,
今井 龍雄
1
,
横山 淑雄
1
1東京都立大塚病院内科
pp.478-483
発行日 1972年4月10日
Published Date 1972/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204056
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
1966年アメリカの連合生物学総会(Federationof American Societies for Experimental Biology)で免疫抑制療法を主題としたシンポジウムがもたれ,アルキル化剤,抗葉酸剤,プリン誘導体などを中心として基礎的ならびに臨床的な研究が数多く発表され,抗リンパ球血清についてもすでに報告されている.さらに1969年にはアメリカ科学学士院が主体となって抗リンパ球血清に関する国際的な会議が開かれている.これらの学会は免疫抑制療法から移植免疫の抑制にいたるまでの研究の流れがうかがわれ,従来の基礎と臨床が集大成され,さらに今日までの進歩の土台にもなっていると思われる.
一方免疫抑制療法はこのように広く世界的視野で研究されてはいるが,現在のところ適応症や治療法がすべて確立されているわけではない.それどころか免疫抑制剤さえも現時点では制癌剤あるいは抗生物質として開発された薬剤が大部分で,真の意味での免疫抑制剤の開発は今後大いに期待されているのが現状である.
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.