術前・術後に要注意 併存疾患の手術リスクと対策
特殊薬剤服用中の手術 免疫抑制薬(副腎皮質ホルモン剤を除いて)
長谷川 博俊
1
,
星野 好則
,
北川 雄光
1慶応義塾大学 外科
キーワード:
Azathioprine
,
6-Mercaptopurine
,
Methotrexate
,
炎症性腸疾患
,
関節リウマチ
,
外科手術
,
経口投与
,
免疫抑制剤
,
抗リウマチ剤
,
周術期管理
,
Infliximab
Keyword:
Infliximab
,
Administration, Oral
,
Arthritis, Rheumatoid
,
Azathioprine
,
Methotrexate
,
Immunosuppressive Agents
,
Surgical Procedures, Operative
,
Mercaptopurine
,
Inflammatory Bowel Diseases
,
Antirheumatic Agents
,
Perioperative Care
pp.963-966
発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010292456
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免疫抑制薬と外科手術との関連について、現時点で内容のある結論を導くことはむずかしい。しかしながら、多くの研究で免疫抑制薬が術後合併症を増加させるという明らかな証拠はなかった。免疫抑制状態の患者では創傷治癒が遅延する可能性がある一方、関節リウマチ患者ではむしろ、免疫抑制薬を周術期に休止することで疾患の活動性が再燃し、また術後の合併症が増加する可能性もある。Infliximab(IFX)がCrohn病の術後再発の予防に有用である可能性が示唆されるが、これを確認するさらなる研究が必要である。潰瘍性大腸炎ではIFXが術後の合併症を増加させる可能性がある。
©Nankodo Co., Ltd., 2010