特集 薬物療法マニュアル
Ⅲ.周術期の薬物療法
4.要注意状態の患者
特定薬物使用(療法)中の患者
化学療法,放射線治療中の患者
金 隆史
1
,
峠 哲哉
1
Ryuji KIN
1
1広島大学原爆放射能医学研究所腫瘍外科
pp.248-251
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903843
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はじめに
進行消化器癌患者に対しては,その外科的治癒切除の限界から再発の防止および生存期間の延長のために,術前,術後に化学療法あるいは放射線治療の併用が行われている.抗癌剤および放射線による抗腫瘍効果は,腫瘍のみならず正常組織に対しても影響を及ぼすことから,時に重篤な合併症を引き起こしたり,QOLの低下を余儀なくされることも稀ではない.したがって,治療中の癌患者に対しては抗癌剤および放射線による副作用を十分に熟知し,治療を安全かつスムーズに遂行するためにその起こりうる副作用に対する対策を早期に行わなければならない.本稿では,消化器癌患者に対する化学療法あるいは放射線治療中に発生しうる主な副作用についての予防・対策を概説する.
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