特集 薬物療法マニュアル
Ⅲ.周術期の薬物療法
4.要注意状態の患者
出血傾向のある患者
徳永 祐二
1
,
古川 正人
1
Yuji TOKUNAGA
1
1国立長崎中央病院外科
pp.227-228
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903835
- 有料閲覧
- 文献概要
基本的な事項
手術に際して遭遇する出血はそのほとんどが血管の機械的破綻によるもので,その止血には結紮,縫合,圧迫などの外科的処置のみが奏効する.これに対して出血傾向による出血は血管系や血小板,凝固線溶系因子に異常を有しているため通常の外科的処置では止血し難く,必ず止血障害に対する適切な治療が必要となる.このような出血傾向による術中止血困難や術後出血はしばしば致死的でさえある.したがって,出血傾向を有する患者では術前に止血障害の病態を熟知したうえでの周術期管理が要求される.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.