メディカルエッセー 『航跡』・28
チーフレジデント物語—小児病院のプランニング
木村 健
1
1アイオワ大学医学部外科
pp.100-101
発行日 1999年1月20日
Published Date 1999/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903503
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新しい小児病院を開設する企画があって委員会が定期的に開かれているからオブザーバーとして出席するようフィッシャー教授に言われ出てみると,これがなかなか興味深かった.常時出席している委員は数人のみであるが,毎回顔ぶれが変わるのだ.アメリカではこうした委員会には定員以上の人間を選んでおいて,随時補欠として使うのをあとで知った.開設は2,3年先かと思うとあにはからんや,10年のちに目標を置いてのお話であった.
マサチューセッツ州交通局長が招聘され,今後10年間のハイウエー建設プロジェクトをスライドで詳しく解説したのが,委員会の初日であった.ハイウエーの建設計画が小児病院といったいどう結びつくのだろうと思われようが,これがきわめて重大な要素を含んでいるのだ.アメリカではこどもの救急医療は小児病院の重要なパートを占めている.急を要する幼い患者がヘリで空から,あるいは救急車でハイウエーを搬送される際,州内のどの地域からでも最短時間で到達できる地点に小児病院を建てるという設定で議論され,交通局長のお出ましとなったのであった.
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