カラーグラフ 消化器の機能温存・再建手術・5
早期胃癌に対する幽門保存胃切除術(PPG)
北村 正次
1
,
梅北 信孝
1
,
宮本 幸雄
1
,
荒井 邦佳
2
,
岩崎 善毅
2
Masatsugu KITAMURA
1
1東京都立墨東病院外科
2東京都立駒込病院外科
pp.5-9
発行日 1999年1月20日
Published Date 1999/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903485
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はじめに
近年,早期胃癌のリンパ節転移の実態が明らかになるに従い,画一的なD2郭清から臓器機能を少しでも温存する縮小手術が行われるようになってきた.それらの中で胃潰瘍に対する機能温存術式1)として開発されたPPG(pylorus-preserving gastrectomy)が早期胃癌に応用されている.この術式は幽門輪から1.5cmの幽門部を温存することで術後胃内容の排出を生理的に保っことを目的とした術式であり,多くの施設2〜7)で行われている.しかし,本術式に伴うリンパ節郭清の範囲は各施設で異なっており,D1からD2まで様々である.今後は腫瘍の肉眼型,組織型,大きさ,深達度により,統一された適応基準のもとにリンパ節郭清を行う必要がある.本稿では筆者らが行っている幽門温存胃切除術について,血管温存および神経温存からみた手術手技を中心に述べる.
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