癌の化学療法レビュー・4
副作用とその対策
市川 度
1
,
仁瓶 善郎
1
,
杉原 健一
1
Wataru ICHIKAWA
1
1東京医科歯科大学第2外科
pp.1067-1072
発行日 1998年8月20日
Published Date 1998/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903262
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はじめに
癌化学療法では,耐用可能な毒性の範囲内で最大の効果を上げることが基本である.従来,抗癌剤は開発段階の第Ⅰ相試験で,投与規則因子(dose limiting factor:以下,DLF)が規定され,それにより最大投与量が決定されてきた.最近では,単位時間(1週間)あたりの薬剤投与量(mg/m2/week),すなわちdose intensity(以下,DI)が治療成績と強く相関することが知られている.
したがって,DLFに対する支持療法は,最大投与量を増量することが可能となるだけでなく,化学療法のregimenを完遂するうえで必須の治療ともいえる.支持療法によりDIは増え,ひいては治療成績向上につながる.また,癌化学療法の副作用対策は,治療期間中のquality of life(QOL)向上の点からも重要である.
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