癌の化学療法レビュー・8
食道癌の化学療法
市川 度
1
,
仁瓶 善郎
1
,
杉原 健一
1
Wataru ICHIKAWA
1
1東京医科歯科大学医学部第2外科
pp.1591-1596
発行日 1998年12月20日
Published Date 1998/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903469
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はじめに
食道癌は他の消化器癌に比較して抗癌剤に対する感受性が良好であり,現在までに多くの臨床研究が行われてきた.また,放射線治療にも感受性が高く,特に局所のコントロールを目的とした場合は,放射線療法は重要な位置を占めている,切除不能の遠隔転移を伴う症例では,化学療法が第一選択となることは論を待たないが,局所の過進展のため切除不能と診断された症例では,化学療法に放射線療法を加えたchemoradiation ther-apy(CRT)が選択されることが多い.
切除可能例では3領域郭清を含む外科切除により5年生存率が50%を超える報告もあるが,一般には進行食道癌の予後は外科切除単独では不良である.このため,遠隔成績を向上させるべく,化学療法,放射線療法,CRTなどの補助療法を手術療法に追加して行う試みが行われてきた.
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