Japanese
English
特集 血管系病変と腹部消化器外科
急性上腸間膜動脈閉塞症に対する血栓溶解療法
Infusoin therapy for superior mesenteric artery occlusion
岩崎 善衛
1
,
山口 敏雄
1
,
中島 康雄
1
,
石川 徹
1
Yoshie IWASAKI
1
1聖マリアンナ医科大学放射線医学
キーワード:
上腸間膜動脈
,
血栓症
,
動注療法
Keyword:
上腸間膜動脈
,
血栓症
,
動注療法
pp.1533-1535
発行日 1997年12月20日
Published Date 1997/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903048
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はじめに
急性腹症として発症する上腸間膜動脈閉塞症は,腸管壊死をきたし死に至る重篤な病態であるが,診断困難な疾患の1つである.多くは心房細動や弁疾患による心臓由来の血栓による塞栓症である.早期診断に腹部単純X線撮影は有用ではなく,最近ではCTがその診断に有用であるとされている.上腸間膜動脈血栓は単純CTで上腸間膜動脈内にhigh densityとして見られ,造影CTでは上腸間膜動脈内の陰影欠損として認められることで診断される(図1).急性腹症で発症し,心疾患の既往がある患者においては急性上腸間膜動脈塞栓症を考慮に入れ,CTを積極的に行うことが勧められる1).確定診断は血管撮影であるが,確定診断に引き続いてカテーテルから血栓溶解療法が行われ救命効果を上げている2,3).今回は急性上腸間膜動脈塞栓症に対する血栓溶解療法について,実際の手技を中心に解説する.
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