特集 外来診療・小外科マニュアル
Ⅴ.腹部・腰部
59.腹痛
蓮見 昭武
1
,
杉岡 篤
1
Akitake HASUMI
1
1藤田保健衛生大学消化器外科
pp.161-163
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902936
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概念
腹痛,特に急激に発症した腹痛(いわゆる急性腹症)を主訴として外科外来を受診する患者は数多く,それらの中には緊急手術を要する疾患も少なくない.したがって,迅速,的確な診断・治療方針決定が必要である.腹痛患者の初診時における実地臨床的判断としては,最低限,1)緊急手術・処置が必要,2)緊急入院が必要(経過により手術・処置が必要),3)入院の必要なし,のいずれであるのかを鑑別しなくてはならない.
腹痛は内臓痛と体性痛(および関連痛)に分類される.内臓痛では局在不明瞭,間欠痛で副交感神経緊張症状(顔面蒼白,悪心,嘔吐など)を伴うことが多いのに比し,体性痛では局在明瞭,持続痛で,副交感神経緊張症状を伴わないことが多い.このどちらであるのかを知ることは非常に重要である.
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