Japanese
English
特集 初療の要点
腹痛
Abdominal pain
飯塚 積
1
Tsumoru IIZUKA
1
1東京都済生会中央病院外科
pp.34-38
発行日 1968年1月20日
Published Date 1968/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204491
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はじめに
種々の腹部疾患で腹痛を伴わないものはないといつてもよいほど,腹痛は共通の症状であり,しかもこの腹痛という感覚は本態的な自己防衛の表現であり,疾病の存在を知らせる貴重なシグナルでもある.しかしながら,あまりにも普遍的であるためか,医師としては一応の手がかりにはしても,ともするとその疼痛を詳細に分析することを忘れる傾向にある.
さて腹部の激痛を主訴とした腹部の急性疾患を,急性腹症または急性腹部症(acute abdomen)と呼んでおり,治療上の実用的な用語として好んで用いられている.このacute abdomenには症状がそろうまでゆつくり待つて診断を下す余裕がなく,急いで開腹すべき疾患群であるという意味をももたせていることは衆知のとおりである.
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