特集 外来診療・小外科マニュアル
Ⅳ.胸部
51.気胸,血胸
半谷 七重
1
,
宮沢 直人
1
Nanae HANGAI
1
1平塚市民病院外科
pp.138-140
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902928
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疾患の概念
胸腔内に気腔を有し,肺が虚脱した状態を気胸と呼び,血液が貯留した状態を血胸と呼ぶ.成因によってブラ,ブレブの破綻によるものを自然気胸,外傷やなんらかの肺疾患(肺結核,肺癌,肺真菌症など)および医原性(鎖骨下静脈穿刺後など)により起こるものを続発性気胸と呼ぶ.気胸のうち,空気漏出部になんらかのチェックバルブ機構が働いて胸腔内圧が異常に上昇した状態を緊張性気胸といい,ショック状態に陥ることもある重篤な病態である.血胸の原因には外傷医原性(ドレナージの際の肋間動脈損傷,手術後など),胸腔内病巣の破綻などがあるが,通常気胸を伴うことが多い.
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