特集 外来診療・小外科マニュアル
Ⅳ.胸部
52.急性乳腺炎,慢性乳腺炎
福島 久喜
1
,
松田 実
1
,
山東 生弥
1
,
田中 良太
1
,
花岡 建夫
1
,
呉屋 朝幸
1
Hisaki FUKUSHIMA
1
1杏林大学医学部第2外科
pp.141-142
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902929
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A.急性乳腺炎
急性乳腺炎は初産婦の授乳初期に多くみられる.出産1〜2週後に母乳がうっ滞するとうっ滞性乳腺炎を起こす.これは真の炎症ではなく,症状も乳腺のびまん性の腫脹と発赤,熱感など軽度である.治療の第1は乳汁のうっ滞をとることで哺乳,搾乳を積極的に行う.
うっ滞性乳腺炎の経過中2〜6週に主として黄色ブドウ球菌の細菌感染を起こすと,急性化膿性乳腺炎になることがある.症状は激しく,発熱(38℃以上)がみられ,局所所見は乳腺の発赤,腫脹,疼痛など炎症症状を伴っている.この炎症が膿瘍を形成するようになったときが穿刺または切開排膿の適応の時期である.
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