特集 外来診療・小外科マニュアル
Ⅳ.胸部
50.肋骨・胸骨骨折
山崎 史朗
1
Shiro YAMAZAKI
1
1東邦大学医学部胸部心臓血管外科
pp.136-137
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902927
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原因
肋骨・胸骨骨折は外傷性骨折と病的骨折に分けられる.肋骨骨折は胸部外傷の中で最も多く,前中の集計1)では全体の37.3%で,胸骨骨折は0.78%に見られたという.病的骨折は肺癌の胸壁浸潤例,胸壁の原発および転移性腫瘍,さらには全身性骨系統疾患で時に見られる.他にはゴルフなどの急激な体の捩転や咳嗽だけで発症することもあり,特に高齢者では骨の脆弱により少し胸を打っただけで容易に肋骨骨折をきたす.胸骨骨折はいわゆるsteering wheel injury(ハンドル外傷)に合併することがよく知られている.
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