特集 外来診療・小外科マニュアル
Ⅱ.頭部・顔面・口腔・咽頭
33.ピアスなどによる耳介炎症
土佐 泰祥
1
,
保阪 善昭
1
Yasuyoshi TOSA
1
1昭和大学医学部形成外科
pp.94-95
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902910
- 有料閲覧
- 文献概要
疾患の概念
ピアスは,イヤリングを差し込むための小孔を耳垂にあけてイヤリングを装着することをいう.小孔をあけると同時にイヤリングを装着できるパンチ式器具ピアッサーを用いたり,単に18ゲージ針を使用しても小孔をあけることが可能である.そのため,医師でなくても容易にピアスの小孔をあけることができるが,手技上感染などの可能性が少なくない.また消毒液やピアスの金属が創面に接触するため,経真皮的感作によるアレルギー反応が生じ,接触性皮膚炎として耳介炎をきたす危険性もある1).反応が強いとその後大きな結節を耳垂に形成することもある(図1).
また一方不注意から,ピアスの入れ替えの際小孔の内部を傷つけて感染をきたしたり,衣類の着脱の際ピアスに引っかけて,外傷性耳垂裂を生じることがある2)(図2).
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.