特集 Q&A 自動吻合器・縫合器の安全,有効な使い方
(Q15)Billroth Ⅱで自動縫合器使用により胃空腸吻合を行いたいが,吻合部近傍の血行障害を予防する工夫は.
西連寺 意勲
1
,
小林 理
1
,
本橋 久彦
1
Motonori SAIRENJI
1
1神奈川県立がんセンター外科第3科
pp.1022-1024
発行日 1997年8月20日
Published Date 1997/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902804
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Billroth Ⅰ法(B-Ⅰ)法は,食物の通過(十二指腸を食物が通過)が生理的であることと,術式の操作がB-Ⅱ法より簡便であることから,胃亜全摘後の再建術式としてはB-Ⅰ法が第一選択とされる.筆者らのB-Ⅱ法を選択する一般的な基準は,B-Ⅰ法が施行困難な症例(残胃と十二指腸を吻合すると吻合部の緊張が過大になると考えられる症例や,十二指腸を十分切除したため吻合部の少くなくなった症例)に対して適応としている.しかし,歴史的にみると,B-Ⅱ法がB-Ⅰ法よりも選択されることが多い時代もあったようである.それは,胃空腸の端側吻合が血行障害が少なく安全な術式であると考えられていたからと思われる.したがって,胃空腸の端側ないしは側側吻合では血行障害は少ないと考えられる.手技上の点からいえば,B-Ⅱ吻合においても,(Q-14)で紹介したようなILSを使用する筆者らのK式B-Ⅱ吻合が簡便であり,筆者らは現在,B-Ⅱにおいてもサーキュラーステイプラー(ILS:エチコンエンドサージェリー)を使用している.しかし,GIA®(オートスーチャージャパン)ないしはリニヤーカッター(エチコンエンドサージェリー)によるB-Ⅱ法も施行可能である1).ここでは筆者らの方法を紹介する.
残胃の作り方は(Q-14)で紹介したのと同様であるが,残胃開口部はK式B-Ⅰ施行時よりできるだけ狭くしておく.
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