特集 Q&A 自動吻合器・縫合器の安全,有効な使い方
(Q14)Billroth ⅠおよびBillroth Ⅱで自動吻合器を使用する際,自動吻合器本体はどこから挿入し,残胃のどの部位で吻合するか.
西連寺 意勲
1
,
小林 理
1
,
本橋 久彦
1
Motonori SAIRENJI
1
1神奈川県立がんセンター外科第3科
pp.1020-1021
発行日 1997年8月20日
Published Date 1997/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902803
- 有料閲覧
- 文献概要
筆者らの施行している幽門側胃切除後の器械吻合器を用いたBillroth I(B-1)法1)およびBillroth Ⅱ(B-Ⅱ)法再建術式(神奈川がんセンター式:K式)は,病変部の存在する胃を切除摘出するとき,残胃の切除端の一部を開放口にしておき,そこから残胃に自動吻合器であるILS(エチコンエンドサージェリー)ないしはEEA®(オートスーチャージャパン)を挿入し,十二指腸断端や空腸と残胃を吻合する方法である.このK式B-ⅠないしB-Ⅱ法について述べる.
ここでは病変部の胃切除を行うところから説明を始める.十二指腸の切離はB-Ⅰでは十二指腸切離部位に巾着縫合器をかけて切離する.B-ⅡではGIA®60(オートスーチャージャパン)もしくはリニヤーカッター55(エチコンエンドサージェリー)(4列の直列のステイプルの中央を縫合しながら切断する自動縫合器)で切断する.胃の切離は,切離予定線の大彎側1/3に胃の切離予定線に平行に2本のリスター鉗子をかけ,電気メスにて鉗子の間を切離し,さらに,小彎側の胃の切離予定線をGIA®80で切断する(図1).リスター鉗子を外すと,残胃の大彎側寄りの切離端は約4〜5cm開放されており,開放口となる.この開口部から残胃の可動性に合わせて,ILSを残胃内に挿入するのは容易である.アンビル部を外したILS本体を残胃に挿入後,ロブを回しながらcenter rodを胃壁から貫通させる.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.