特集 Q&A 自動吻合器・縫合器の安全,有効な使い方
(Q13)吻合部位が頸部食道高位となる場合の吻合法は.
小堀 鷗一郎
1
,
清水 利夫
1
,
露久保 辰夫
1
,
田辺 友紀男
1
,
上村 志伸
1
Oichiro KOBORI
1
1国立国際医療センター外科
pp.1018-1019
発行日 1997年8月20日
Published Date 1997/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902802
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最初に明らかにしておくべきことは,頸部食道高位とはどの程度の高さを指すかという点である.ここでは,輪状咽頭筋に切開などの手術操作が及ぶような,稀にしか経験しないような事例ではなく,気管,喉頭が術野を狭くして,吻合操作を困難にする,通常の症例を念頭において述べることとする(図1,2).
頸部食道高位吻合の場合,胸壁前経路以外における第一選択は手縫い吻合と考える.その理由は,胃管に吻合する頸部食道の長さが十分でないため,アンビルを挿入,縫着した際食道壁に過剰に伸展が加わり,吻合操作中にとくに縫着糸周辺における損傷が危惧されるためである.手縫い縫合の場合は,3または4ゼロ吸収糸を用いたGambee一層縫合を行っている.
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