Japanese
English
特集 輸血後GVHDをめぐる諸問題
特集関連症例
HLA-AとDPの不一致による輸血後GVHD
A case of post transfusion GVHD caused by HLA-A and DP disparity
南雲 文夫
1
Fumio NAGUMO
1
1佐賀医科大学輸血部
キーワード:
輸血後GVHD
,
HLA-A抗原
,
HLA-DP抗原
Keyword:
輸血後GVHD
,
HLA-A抗原
,
HLA-DP抗原
pp.745-748
発行日 1997年6月20日
Published Date 1997/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902744
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
胃潰瘍の出血による貧血改善のために行われた400ml由来赤血球濃厚液1バッグの輸血で輸血後GVHDを発症した症例を経験し,患者と供血者間でHLA-AとDPの不一致を確認した.患者は輸血後12日目に発熱,14日目から紅斑が出現し,34日目に消化管出血で死亡した.HLAは患者と供血者間でHLA-B,Cw,DRB1,DQA1,DQB1は一致していたが,HLA-AとDPB1が異なっており,患者は「HLA-A24,A33,DPB1*0201,0501」,供血者は「HLA-A24,A—,DPB1*1901,0501」であった.このクラスIとクラスII両抗原の不適合が輸血後GVHD発症の原因と考えられた.患者と供血者問でHLA-DPの不一致が確認された輸血後GVHDの症例は本例が最初であった.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.