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特集 輸血後GVHDをめぐる諸問題
特集関連症例
白血球除去フィルターによっても予防できなかった輸血後GVHD症例
A case of transfusion-associated graft-versus-host disease not prevented by white cell-reduction filters
高梨 美乃子
1
Minoko TAKANASHI
1
1日本赤十字社中央血液センター
キーワード:
輸血後GVHD
,
白血球除去フィルター
Keyword:
輸血後GVHD
,
白血球除去フィルター
pp.741-744
発行日 1997年6月20日
Published Date 1997/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902743
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白血球除去フィルターを使用した患者に輸血後GVHDが発症した初めての報告である.
患者は67歳の女性,非ホジキンリンパ腫に対し化学療法を行い,白血球除去フィルターを用いた20単位の血小板と8単位の赤血球輸血を受けた.化学療法後17日目,皮診が出現し,以後,発熱,全身紅斑,骨髄抑制,肝機能異常,悪心・嘔吐,タール便,水様下痢,汎血管内凝固症候群,吐血を呈し,化学療法後39日目に死亡した.病理解剖所見は急性GVHDに一致した.この症例はHLA-A24,Bw52,C blankという日本人に最も多いハプロタイプを持っており,患者はHLAハプロタイプが一致する血液を輸血された可能性が高い.
白血球除去フィルターは輸血後GVHDを予防できないことが示された.輸血後GVHDの危険のある場合には,リンパ球を含むすべての血液製剤に放射線照射をすることを勧める.
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