特集 術前ワークアップマニュアル—入院から手術当日までの患者管理
Ⅰ.術式別:術前患者管理の実際
14.内視鏡的手術
内視鏡的乳頭切開術
田川 一海
1
1三井記念病院内視鏡センター
pp.300-303
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902496
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内視鏡的乳頭切開術(以下,EST)は総胆管結石症治療の第一選択であり,閉塞性黄疸に対する経乳頭的ドレナージや胆道疾患の診断のための手技としても広く行われている.総胆管結石の截石成功率は90〜95%と高い.術前検査では,ERCPにより総胆管結石の数・大きさ,胆管や胆嚢の形態的変化を診断することが重要で,砕石術付加が必要かを判断せねばならない.術前管理では,しばしば合併する胆管炎,膵炎の診断と治療が重要である.これらの重症例では,緊急に経乳頭的ドレナージやEST・截石を施行しなければならない場合がある.胆嚢有石例では,EST後に腹腔鏡下胆嚢摘出術を行うことで,侵襲の少ない治療が可能になった.
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