カラーグラフ 内視鏡下外科手術の最前線・20
胃・十二指腸
低侵襲を目指した胃内手術—内視鏡下胃内手術
桜町 俊二
1
,
木村 泰三
1
,
吉田 雅行
1
,
小林 利彦
1
,
和田 英俊
1
,
鈴木 憲次
1
,
鈴木 浩一
1
,
竹内 豊
1
,
渡辺 浩
1
,
久保 精一
1
Shunji SAKURAMACHI
1
1浜松医科大学第1外科
pp.953-959
発行日 1996年8月20日
Published Date 1996/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902360
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はじめに
腹腔鏡下胃内手術とは,早期胃癌に対する縮小手術の一法として大橋1)により開発された手術法である.従来の腹腔鏡下手術では,腹腔鏡や操作鉗子を腹腔内で利用するのに対し,この方法ではこれらの器械類を胃の中まで刺入し,胃の内腔側の病変の切除を行う.腹腔鏡下胃内手術は,同じ粘膜切除法である内視鏡的粘膜切除(EMR)に較べると,より大きい病変の一括切除ができる反面,全身麻酔気腹下の手術であり侵襲が大きい.我々は,この術式の侵襲性をさらに軽減すべく改良し,臨床に試みたので報告する.その改良の要点は,穿刺孔の縮小である.手術器械類は,細径のものを試作して利用した.腹腔鏡は細径化が困難なため,消化管内視鏡をもって代用した.本手術の操作はこの経口内視鏡画像下で行うことより,内視鏡下胃内手術と名付けている.
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