特集 肛門疾患診療のポイント—エキスパート17人のノウハウ
裂肛外来治療のテクニック—保存療法,用手肛門拡張
辻 順行
1
Yoriyuki TSUJI
1
1福岡高野病院肛門科
pp.567-569
発行日 1996年5月20日
Published Date 1996/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902284
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裂肛は肛門部に発生する急性の裂創から慢性の難治性潰瘍を指す.したがって,症状としては排便時の疼痛,場合によっては内括約筋の痙攣が加わり排便後の継続的な疼痛,出血,そして慢性化すると皮垂,肛門ポリープの脱出,肛門狭窄が認められる.治療としては,軽度(急性)は食事や緩下剤などにより便秘の予防と肛門衛生に注意する.中等度は外来処置の適応で要手肛門拡張,内括約筋側方切開を行う.重度は入院して皮膚弁移動術などを行うなど,裂肛の程度によりそれぞれ使い分けることが肝要である.
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