シリーズ 早期癌を見直す・2 早期大腸癌・5
早期大腸癌診断の最前線—④MRI
今井 裕
1
,
樋口 順也
1
,
湯浅 祐二
1
,
平松 京一
1
,
渡辺 昌彦
2
,
寺本 龍生
2
,
北島 政樹
2
Yutaka IMAI
1
1慶應義塾大学医学部放射線科
2慶應義塾大学医学部外科
pp.343-349
発行日 1996年3月20日
Published Date 1996/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902241
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はじめに
MRI検査は近年の装置の進歩により,今まであまり検査の対象ではなかった腹部領域にも次第に応用されるようになった.しかし,消化管の診断には,他の腹部臓器に比べて呼吸や蠕動などの動きの影響が大きく,さらに早期癌の診断には空間分解能のきわめて高い画像が要求される.したがって,短い撮像時間で空間分解能の高い画像を撮影するという2つの相反する要求を満たさなければならないところにMRIによる消化管診断の困難性がある.
本稿では大腸癌に対するMRIの撮像方法,正常腸管壁の描出や癌の所見,さらに現状での成績や問題点について概説する.
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