特集 術後1週間の患者管理
Ⅰ.術式別:術後1週間の患者管理
3.肺・気管手術
肺葉切除術
小田 誠
1
,
川筋 道雄
1
,
渡辺 洋宇
1
1金沢大学医学部第1外科
pp.55-59
発行日 1995年10月30日
Published Date 1995/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902019
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肺葉切除術の対象となる疾患の大部分は肺癌であり,通常の肺癌の手術には肺門・縦隔リンパ節郭清を伴う.肺癌手術の対象は高齢者,低肺機能患者や基礎疾患を合併する症例も少なくない.また,近年では気管支形成術を伴う肺葉切除術も増加している.このような状況下では,適応の選択,術前管理,術中の慎重な管理も重要である.術後管理に際しては,(1)胸腔ドレナージの管理(排液,排気,出血)を適切に施行し残存肺の完全な再膨張を得ること,(2)術後疼痛の制卸(3)呼吸管理,(4)循環系の管理の4点が特に重要であり,これらを熟知する必要がある1).本稿では,気管支形成術も含む肺癌に対する肺葉切除術における実践的術後管理法を中心にその基本を述べる.
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