特集 クリニカルパスによる外科医療の進歩
第Ⅰ部:クリニカルパス導入の実践
クリニカルパス作成の実例
2.呼吸器
肺葉切除術のクリニカルパス
𠮷田 順一
1
,
吉田 英子
2
,
松尾 憲一
3,4
Yoshida Junichi
1
1下関市立中央病院呼吸器外科
2下関市立中央病院看護部
3下関市立中央病院外科系統括部
4下関市立中央病院クリニカルパス推進部
pp.45-53
発行日 2003年10月22日
Published Date 2003/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101555
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はじめに
1995年にZander Kが唱えたcritical path1)は後年さまざまに表現されるが,本稿ではパスと略称する.肺切除のパスについて,英語文献では1997年米国東海岸のマサチューセツ総合病院(MGH)から術後在院7.5日2),翌年西海岸からは同1日3)と報告された.また2001年当院からマーキングと胸腔鏡手術を組み合わせたパス4)が報告された.日本語文献では1998年野守による肺葉切除(以下,葉切)のパス5)がある.
当院の取り組みは1999年に気胸に対する胸腔鏡下手術(VATS)のパスから開始され,好評にて葉切などに拡大された.これらを同年の日本肺癌学会総会にて報告した際,会場ではMGHにおける肺切除のpatient care pathwayと職員用clinical pathwayが配布された.前者はオンタリオ病院の患者用パス6)が類似する.また国内では広島赤十字病院7),黒部市民病院8)および当院9)が肺癌手術などの患者用パスをウエブ公開している.
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