Japanese
English
臨床研究
多発性内分泌腫瘍症を伴わない家族性甲状腺髄様癌の2家系
Two kindreds of familial medullary thyroid carcinoma without associated multiple endocrine neoplasia
東泉 東一
1
,
高見 博
2
,
古田 凱亮
3
,
小坂 昭夫
4
,
覚道 健一
5
Tohichi TOHSEN
1
1東泉クリニック
2帝京大学医学部第1外科
3静岡赤十字病院外科
4清水市立病院外科
5和歌山県立医科大学第2病理
キーワード:
甲状腺髄様癌
,
遺伝性癌
,
多発性内分泌腫瘍症
,
カルシトニン
Keyword:
甲状腺髄様癌
,
遺伝性癌
,
多発性内分泌腫瘍症
,
カルシトニン
pp.1065-1069
発行日 1995年8月20日
Published Date 1995/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901950
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
甲状腺髄様癌はカルシトニンを産生する甲状腺傍濾胞細胞(C細胞)に由来し,約1/3の症例は常染色体優性遺伝の形式を示す遺伝性群で,多発性内分泌腫瘍症(multiple endocrine neoplasia:MEN)2a型(甲状腺髄様癌,副腎褐色細胞腫,上皮小体病変)または2b型(甲状腺髄様癌,副腎褐色細胞腫,粘膜神経腫など)を呈することが多い1,2).しかし,この家族性に発生する遺伝性群のなかで,1986年にFarndonら3)はMENを合併しない家族性髄様癌の家系を報告し,以後,新しい疾患群として分類されるようになった.この非MEN髄様癌はきわめてまれで,学問的にも貴重な疾患群と考えられる.
筆者らはこの新しい疾患概念に該当する2家系を検索してきたので,その臨床像,治療成績などを報告する.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.