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早期胃癌に対して局所切除のみで根治を得るためには,リンパ節転移のない症例群の選択と十分なsurgical marginを確保した確実な局所切除が絶対条件である.教室では1992年3月より,早期胃癌のうち,(1)術前深達度診断でm,(2)IIa≦25mm,(3)IIc≦15mmかつUl(—)を満たすものに対しては,リンパ節転移の危険性がほとんどないとの判断から,lesion lifting法による腹腔鏡下胃局所切除術ならびに腹腔鏡下胃内粘膜切除術の2種類の腹腔鏡下手術を積極的に施行し,これまでに56症例に対して良好な手術成績をおさめている.これらの手術法の最大の特徴は,水平方向,垂直方向ともに十分なsurgical marginを確保した確実な病巣切除と十分な組織学的検索が可能なことであり,最も重要な根治性を満足すると考えている.また,その低侵襲性と臓器温存性から,患者の満足度も高かった.問題点としては,術前深達度診断精度の限界から,結果的にある程度のsm1症例が含まれるのは避けられないことであるが,教室の適応範囲内の症例であれば,ほとんどが局所切除で根治手術になると考えている.しかしながら,病理結果により再度開腹胃切除,リンパ節郭清が必要となる可能性は否定できないため,癌告知のみならず,その可能性に対して十分なインフォームド・コンセントを得ておくことが重要である.また胃を温存するため,術後の異時性多発癌の発生にも注意が必要である.
Since March 1992, we have successfully treated 56 patients with early gastric cancer by using two different laparoscopic procedures : laparoscopic wedge resection of the stomach using a lesion-lifting method (n=36) and laparoscopic intragastric mucosal resection (n=17). The indication is as follws : (A) mucosal cancer, (B)<25 mm, if the lesion is protruded type, (C)<15 mm and Ul (-), if the lesion is depressive type. The advantages of these methods are minaimal invasiveness, sufficient surgical margin, feasibility of detailed histology, feasibility of perigastric lymph node dissection.
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