特集 施設別/新・悪性腫瘍治療のプロトコール
Ⅰ.食道癌治療のプロトコール
(5)新潟県立がんセンター新潟病院外科
田中 乙雄
1
,
佐々木 壽英
1
,
梨本 篤
1
,
筒井 光弘
1
,
土屋 嘉昭
1
Otsuo TANAKA
1
1新潟県立がんセンター新潟病院外科
pp.34-38
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901668
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食道癌に対する外科治療も,症例の進行度に応じて手術術式を選択することが要求される時代となってきた.最近の画像診断の進歩に伴い発見される機会が増加した表在癌のなかには,内視鏡的粘膜切除術や非開胸食道抜去術といった縮小手術によっても十分根治性が得られる症例も判明してきた.一方,未だ大多数を占める進行癌では頸胸境界部を中心としたリンパ節郭清の重要性が認識され,両側頸部・胸部・腹部の3領域にわたる拡大郭清が多くの施設で行われている.しかし,リンパ節転移高度例では,拡大郭清術のみで治療効果があまり期待できないのも事実であり,放射線治療,化学療法を併用した集学的治療により治療成績の向上を目指しているのが現状である.
本稿では,以上のような背景を基とした当科における食道癌治療のプロトコールの概要を述べる.
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