Medical Essay メスと絵筆とカンバスと・11
療養所勤務
若林 利重
1
1東京警察病院
pp.1454-1455
発行日 1993年11月20日
Published Date 1993/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901424
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東京警察病院の外科に勤めていた先輩が肺結核になり療養を要するということになったため,3か月交代で医局から応援医師を派遣することが決った.最初に久野敬次郎先生(元・癌研外科部長),次が故・綿貫喆先生(慈恵医大教授),そして3番目が私になった.1944年のことである.
まもなく3か月の応援が終ろうとしたとき,当時の塩沢総一院長と外科医長の吉岡一先生から応援期間を少し延ばしてくれないかといわれた.たしかに3か月の担当では患者には気の毒であり,後髪をひかれる思いのする患者もいる.大学の医局長に相談したら,次の応援医師がまだきまらないからもう少しつづけてやってくれということである.私は大学でティーテルアルバイトを始めたところだった.警察病院は手術も多いし,動物実験室もあるので,ティーテルアルバイトをここで片付けてしまおうと考え,もう暫くとどまることにしたのである.
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