定点観測
—自治医科大学から—診療所勤務の経験から
大川 藤夫
1,2
Fujio OHKAWA
1,2
1自治医科大学循環器内科
2栃木県烏山町境診療所
pp.1056-1057
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208476
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私は,現在,母校自治医大にて後期研修中の身である.近ごろ,診療所で過ごした2年間が非常になつかしく思い起こされる.それは,現在,接している大学での医療とは全く異質のもののように感じられるからかもしれない.
私の勤務した境診療所は医師1人,職員5人から成る第一線の国保無床診療所である.対象地域の大部分は八溝山系の険しい山々に囲まれ,面積の90%以上は山林で占められるが,道路状況は比較的良く,遠い所でも診療所まで車で約30分の距離である.しかし,公共の交通網は貧弱で,車を持たない住民(主として老人や婦人層)にとっては依然として山間へき地である.
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