臨床外科トピックス がん遺伝子の基礎と臨床・6
癌遺伝子と乳癌
戸井 雅和
1
Masakazu TOI
1
1都立駒込病院外科
pp.1433-1441
発行日 1993年11月20日
Published Date 1993/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901420
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乳癌は病因論的にきわめて多彩な背景をもつ癌である.閉経状況,妊娠・出産歴などのホルモン環境,家族歴,食事など非常に多くの因子が乳癌の病因の1つとして挙げられている.これらの多彩な背景を反映するかのように,遺伝子の異常,すなわち,癌遺伝子の遺伝子増幅,蛋白の過剰発現あるいは癌抑制遺伝子の変異,染色体の欠失などもまた,非常に多様であることが最近明らかになってきた.本稿では,これらの種々の遺伝子異常のなかからトピックスとなっているものを取り上げながら論を進めてゆきたい.
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