増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
病理検査
癌遺伝子・癌抑制遺伝子と病理診断
小山 徹也
1
,
柏原 賢治
1
,
桜井 信司
1
1群馬大学医学部第2病理
pp.782-784
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402910018
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現在,多数の癌遺伝子,癌抑制遺伝子が発見され,発癌においてその異常が報告されている(表1).現在のところ,実際の病理診断に利用されているものはそれほど多くはない.腫瘍が複数の遺伝子異常により多段階に発生すると考えられ,必ずしもkey oncogeneが明らかでないからであろう.また通常のホルマリン固定パラフィン包埋材料で利用可能なものもあるが,新鮮材料での検索可能なものが多い点にも注意すべきである.ここでは主として固型腫瘍の診断にしぼって,いくつかの癌遺伝子,癌抑制遺伝子について,①検査の目的と意義,②検査の種類と方法,③疾患・病態との関係,臨床的有用性の順序で述べ,最後に造血器の腫瘍について触れる.
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