カラーグラフ シリーズ・新しい内視鏡治療・14
胸腔鏡下気胸手術(標準術式)
武野 良仁
1
,
栗原 正利
1
1日産厚生会玉川病院気胸センター
pp.1233-1238
発行日 1993年10月20日
Published Date 1993/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901256
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はじめに
言うまでもなく,「気胸」とは胸腔に空気が入っている病態である.胸腔鏡という面からみれば,まさに検査のすぐできる状態ということができる.1973年,筆者は,自然気胸を胸腔鏡下に治療することを考案した.しかし,なぜかこの治療法は特殊なものとして,その後ずっと行われなかった.ところが,ここ2〜3年,この治療法は急に見直され,いまや世界的に流行するまでになった.一体なぜなのであろうか.
理由は明らかである.腹部において内視鏡治療が画期的に成功したからである.腹腔鏡による胆嚢摘出術のデビューはあまりにも劇的であった.いま,その余波が横隔膜をこえて胸部にまで及んでいる.内視鏡,その周辺機器,さらには画像処理技術の改良が,この展開を支えたことも忘れてはならない.
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