Japanese
English
臨床研究
急性虫垂炎における血清鉄値の診断的有用性について
Diagnostic evaluation of serum iron level in the acute appendicitis
千福 貞博
1
,
岡島 邦雄
1
,
山田 眞一
1
,
網岡 勝見
1
,
平松 昌子
1
,
李 喬遠
1
1大阪医科大学一般・消化器外科
キーワード:
急性虫垂炎
,
血清鉄
,
末梢白血球数
Keyword:
急性虫垂炎
,
血清鉄
,
末梢白血球数
pp.941-944
発行日 1993年7月20日
Published Date 1993/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901209
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はじめに
鉄欠乏性疾患,慢性関節リウマチ,悪性疾患などの慢性消耗性疾患において血清鉄が低下することはよく知られている.しかし,これら以外に急性炎症性疾患,特に感染症において血清鉄が低下することも報告されている1,2).近年のサイトカインに関する新知見により,この急性炎症による血清鉄の低下の原因はインターロイキン1などの炎症性サイトカインの作用によると考えられている3).しかし現在,日常臨床においてサイトカイン,特に血中インターロイキン1を測定することは,ELISA法を用いても感度以下になるなどのため容易ではない.これに対して,従来から行われている血液生化学検査における鉄の測定はきわめて簡便で,実地臨床上の意義が大きい.そこで,急性炎症性外科疾患の代表として急性虫垂炎を研究対象として取り上げ,その術前の血清鉄を測定し,診断的有用性を検討したので報告する.
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