Japanese
English
特集 MRSA感染症対策の実際
MRSA創感染の診断と治療
Diagnosis and treatment of wound infection caused by methicillin-resistant Staphylococcus aureus
安田 聖栄
1
,
田島 知郎
1
,
三富 利夫
1
1東海大学医学部第2外科
キーワード:
MRSA
,
黄色ブドウ球菌
,
創感染
,
術後合併症
,
術後感染症
Keyword:
MRSA
,
黄色ブドウ球菌
,
創感染
,
術後合併症
,
術後感染症
pp.751-756
発行日 1993年6月20日
Published Date 1993/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901179
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創感染は,術中の創部汚染程度にしたがって,頻度が高くなる.Clean, Clean—Contaminated, Contaminated, Dirtyそれぞれの創感染頻度は,1.8%,8.9%,21.5%,38.3%である.起炎菌としては黄色ブドウ球菌の頻度が高い.入院後,鼻腔内保菌者となり,創部に感染を来す感染経路も考えられる.また,病棟内にはMRSAの保薗者が多く,術後手術創部に感染を来す機会が多いことに注意する.創部膿瘍の診断は容易で,治療はその部位の抜糸をし,膿を排出する.開放創が大きいときは,創面がきれいになった時点で縫合閉鎖することで治療期間を短縮できる.現在のところ,創感染を確実に防ぐ方法はない.創感染に関する基本的事項を理解して診療にあたることが重要である.
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