特集 外科患者・薬物療法マニュアル
Ⅵ.注意すべき状態の患者への薬物療法
12.エイズ患者
西村 嘉裕
1
1東京都立駒込病院外科
pp.263-265
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901020
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日本ではAIDS患者の手術はまだ少ないといわれているが,世界的にみるとHIV(human immunodeficiency virus:ヒト免疫不全ウイルス)感染者の手術例は増加している.最近,日本でもAIDS患者の増加が報告され,近いうちに日本においても同様の状態に直面すると考える.HIV感染者はまだ発症していないAC患者(asymptomatic carrier)と,日和見感染症,2次性悪性腫瘍,あるいは神経症状などの典型的症状を示すAIDS患者と,その中間ともいえる非典型的免疫不全症状を示すARC(AIDS related complex)患者の3者に分類される.AIDSはいったん発病すると1年以内に40%以上が死亡し,2年で70%を越え,3年後では90%の死亡率といわれ予後が不良である.ここではHIV感染者全体についての外科手術の注意点について述べる.
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