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エイズ患者は庇護されるべき人々
中嶋 真澄
pp.372-373
発行日 1987年5月25日
Published Date 1987/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207127
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エイズ法案への懸念の声
今月も新聞紙面はエイズ関連の記事で埋まった。なかでも予防法案の最終要綱が打ち出されたこと(3月6日/各紙夕刊)とエイズ感染の主婦出産(同16日/各紙朝刊)というニュースが,重大ニュースとなった。ここにきて,わが国のエイズ問題は,基本的人権とプライバシー保護の観点から論議がなされることになったのである。エイズ患者や感染者などに対する差別もますます深刻な問題となつてきている。
1月17日,神戸で女性エイズ患者が死亡して以来,厚生省はエイズ対策を強化,予防法案の立法化に向けて積極的かっ急速な動きを示してきた。そして,2月20日に発表されたエイズ予防法案原案では,エイズ患者及びエイズ感染者に対し,二次感染の恐れのある行為をした場合には罰則規定を設けるという条項まで盛り込まれるに至ったのであった。
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