特集 外科患者・薬物療法マニュアル
Ⅴ.併存疾患をもつ外科患者の薬物療法
23.慢性腎不全
寺岡 慧
1
,
太田 和夫
1
1東京女子医科大学第3外科
pp.204-207
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900996
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慢性腎不全(CRF)患者に投与される薬物は,CRFの病態に直接関連した薬剤(リン吸着薬,活性化ビタミンD,イオン交換樹脂など),腎不全の合併症の予防あるいは治療に用いられる薬剤(降圧剤,抗不整脈剤,抗潰瘍剤,抗生物質,化学療法剤,抗血小板薬,解熱剤など),さらに手術時に用いられる薬剤(麻酔薬,筋弛緩剤,抗生物質,鎮痛剤,解熱剤,降圧剤など)などであろう.CRFでは薬物の代謝障害および排泄障害があるため,その投与に際しては薬物の代謝・排泄経路,クリアランス,半減期,蛋白結合率,透析性,副作用などを十分に考慮して,薬剤の選択,投与量と投与法を決定すべきである.ここでは,CRF合併外科手術患者の薬物療法における注意点について要約する.
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