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特集 膵癌への挑戦
A 膵癌診断の最近の進歩
通常型膵癌と粘液産生膵腫瘍に対する内視鏡的膵生検の診断的意義
Diagnostic significance of EPB (endoscopic pancreatic biopsy) for common pancreatic carcinomas and mucin producing pancreatic tumors
真口 宏介
1
,
岡村 毅与志
1
,
並木 正義
1
Hiroyuki MAGUCHI
1
1旭川医科大学第3内科
pp.989-996
発行日 1992年8月20日
Published Date 1992/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900858
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膵癌診断における内視鏡的膵生検(Endoscopic Pancreatic Biopsy:EPB)の有用性について,通常型膵癌と粘液産生膵腫瘍を取り上げ,EPBの臨床成績と留意点を中心に述べた.通常型膵癌60例のEPB癌陽性率は72%(43/60)で,膵管像でみると陰性例の多くはtaperingを示すtypeであり,対策として片開き鉗子,M鉗子(MAGUCHI鉗子)の使用が有用であった.EPB癌陽性率の向上には、膵管像の詳細な描出による生検部位の決定と,膵管像に合わせたEPB鉗子の使い分けが重要なポイントである.粘液産生膵腫瘍21例中,主膵管型では6例中5例に確診が得られ,分枝型では3例において分枝膵管内への鉗子挿入が可能であり,全例確診が得られた.また主膵管への進展を判定するうえにも,EPBはきわめて有用性が高い.
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