Japanese
English
特集 下肢循環障害の治療—適応と限界
下肢急性動脈閉塞症
Acute arterial occlusions of the lower extremities
根本 ひろむ
1
Hiromu NEMOTO
1
1北里大学医学部外科
pp.161-168
発行日 1992年2月20日
Published Date 1992/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900729
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下肢急性動脈閉塞症は緊急手術を要する疾患であり,救命・救肢のためには,早期診断・早期手術が必要である.選択すべき術式,手術成績,予後が大きく異なるので,動脈塞栓症と急性動脈血栓症とを鑑別することは重要である.動脈塞栓症はFogartyカテーテルによる塞栓除去術でよいが,急性動脈血栓症は血栓除去術ではまず救肢は困難で,血行再建術を選ぶべきである.下肢急性動脈閉塞症の代謝性合併症であるMNMSの本質は,虚血—再灌流障害であり,動脈閉塞レベル,虚血持続時間,来院時の所見,とくに患肢の激痛,筋硬直,血清カリウム値,血中・尿中ミオグロビン値および併存症を総合的に判断して重症度を決定し,手術術式を選ぶべきと考えている.
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