特集 内科医として “足” を診る―靴下をとって足病変を見逃すな!
重篤な足病変を見逃さないために
急性動脈閉塞症
松本 拓也
1
1国際医療福祉大学医学部血管外科学講座
キーワード:
急性動脈閉塞症
,
血栓症
,
塞栓症
,
筋腎代謝症候群(MNMS)
,
ドプラ
Keyword:
急性動脈閉塞症
,
血栓症
,
塞栓症
,
筋腎代謝症候群(MNMS)
,
ドプラ
pp.2255-2260
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_2255
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Summary
▪内科医が急性動脈閉塞症を疑い,診断にたどり着くコツとしては,pain(疼痛),pulselessness(脈拍触知消失),pallor(蒼白),paresthesia(知覚鈍麻),paralysis(運動麻痺)の症状5Pを確認する.また,必ずドプラ聴取で足背動脈および後脛骨動脈音を確認することが非常に重要である.
▪初期対応としては,二次血栓予防のためにヘパリン3,000~5,000単位(60単位/kg)をボーラスで静注し,活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)が45~70秒になるように持続でヘパリン(14単位/kg/時)を投与する.
▪急性動脈閉塞症が疑われた時点で,透析ができて血管外科専門医が在席する施設を探し,診断と同時並行で受け入れ可能か問い合わせを行う.診断が確定次第,可及的速やかに血管外科専門医に紹介(可能ならハイブリッドオペ室がある施設に移送)するのがよい.
▪内科医が知っておくべき治療法としては,自家静脈を用いた足関節へのバイパス術である.カテーテル吸引のみでは再疎通しないことが多く,血栓除去のみでも不十分で,足関節へ自家静脈を用いてバイパスしなければ救肢できない症例が存在する.
© Nankodo Co., Ltd., 2019